昨年秋から打ち合わせを重ねて、少しずつ進み始めている『時計とコラボ』。
ブログでも新しくカテゴリーを開始し、進み具合や作品などを上げていきます。
まずは開始にあたっての色々。
リンクさせていただいている、時計作家さんの吉村恒保さん。
出会いは昨年5月。梅田大丸のジュエリー催事の際に向かい側のスペースで
出ていらっしゃったのです。
精力的に展示会を行い、日本全国を回っていらっしゃる方です。
初めて会った時のインパクトが凄くて。
いつものように、初日朝のデパート販売のための個人情報取扱いなどの講習を受けて、その後
ネームバッチを受け取る所に並んでいた時、前に並んでいたおばちゃんが
「1000円、デポジットで必要らしいで!」
と後ろに並んでいるみんなに向けて大声で教えてくださったのですが、その時、後ろから
「あ、僕1000円札無いです〜」
「え?1000円無いの?おっちゃん貸したろか〜」
「ほんまですか?」
という会話が聞こえてきた。。
何気に見ると、1000円札が無いと話していたのは吉村さんで、貸したろか〜と言っていた
のはインド人。。
後になって聞いたのですが、その時2人は初対面だったそうです。すごい‥!!
知らない人に1000円貸したろか〜、ほんまですか〜と言う会話も東京に住む私にはかなり
新鮮ですが、まずは「日本語お上手ですね!!」でしょ?ね、おかしいでしょ?と言ったら、
「そ、そ‥う、やね〜。あの人おっちゃんて言ってたけど、僕より多分下やね。。」
そ、そこ、なの…?
ほのぼのです。
でも、制作されている時計は、力強くて一度見ると心に残る感じです。
梅田大丸でコラボのお話を少し伺い、その後も個展にお邪魔したり、展示にいらして下さったり、
他の作り手さんを紹介したりされたり、共通の知り合いが何人も居たりなどしているうちに、
実際のやり取りも開始しました。
今回のコラボの時計は、私以外にも原型職人の方や、漆や螺鈿、木目に七宝など、吉村さんを
通じて集まった作り手の方が、それぞれ時計を通じてコラボをしています。
お披露目は6月に大阪は難波高島屋1階になります。
詳細はリンクに貼ってある『時計作家 吉村恒保』さんのブログに掲載されております。
私の制作させて頂く物は、今回は時計4本。
時計の事は私は何も判りませんし中の機械の事もあるので、枠やブレスレット部分の制作は
今回は全て吉村さんデザインと制作、そこに、私が技術提供という形で彫りや石留めを行う事に
なっております。
文字盤も、私が彫る物と吉村さんの制作された物がありますが、総手彫りで行いますので
全てが1点物となります。
外注でこのように石留めや彫り加工のみをする事は、イタリア時代に会社の仕事以外にも
受けていましたが、ここ暫くは受けない事にしていました。
でも、このお話を頂いたとき、これはやりたい、やらなければ、と思い。。。
まずは昨年制作をしました1本目です。
文字盤は吉村さん。
枠とベルト部分の彫りと透かしは私が行いました。
彫りが綺麗に見えるように、古美仕上げにしてあります。
花がぐるっと取り囲んでいる枠です。
ベルト部分の彫りです。
私は彫りを入れる時、全くデザイン画も描かず下絵も描かず、一気にぶわ==!!!っと
彫って行くので、同じ彫りは出来ないしやりません。
それは、リングも全てそうです。
プラス、吉村さんとは「かどみさんとのコラボは、1点物を特徴として行きましょうね」と
決定しましたので、本当にそれぞれが1点ずつの制作になりそうです。
先週2本目の彫りを全て完了し、吉村さんの元へ送りました。
そちらは小さいけれど綺麗なルビーが入っています。
これから機械が入り、針も入り、時計になります。
どんな人に渡って行くのかなぁ。。
時計コラボのカテゴリーで更新して行きます。