Kadomiのひとりごと

ジュエリー Kadomi 内藤圭美のブログです。
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コピー品、類似品、模倣品の続き。
月曜日にアップしたブログは、ツイッターで数千回とリツイートが繰り返され、火曜日朝
にはブログの観覧数は何万にもなっていました。
そして、今も増えています。

例えば、街を歩いていて、ふと、自社の商品に酷似しているものに出くわす、またはネット
ショップで見つけるといった事は、自ら商品のデザインをして生み出す仕事をしていたら、
残念ですが何度も必ず起こる事です。
それらが自社の模倣品であると言う事を突き詰めて差し押さえるために、行動を起こす
のには時間も労力も取られてしまいます。本来の業務が出来なければ本末転倒なわけです。
生み続ける事をしつつ、こういう事にも気をかける。
それでも行動を起こす場合は、それを証拠として購入、その後…と段階があるのですが、
それは置いておいて。

ちなみに、私は台東区デザイナーズビレッジという創業支援施設に2008年4月〜
2010年3月までの3年間、2期生として事業所を構えていたため、秋葉原にある
東京都知的財産総合センターという機関が有るのを教えてもらい、セミナーなども
参加したことがあります。リンクを貼っておきます。
友人達も、自身の模倣品を見つけた後、こちらで相談、解決への方法を指示されたという
事を聞いています。

ですが、今回は先方が弊社の商品画像を見て作ったと先に認めている訳なので、ここでは
権利の話とも違います。

こういう仕事をしている方は、開業届を出す際に、ブランド名、屋号を決め、その屋号と
ロゴに商標を取得する事はみなさんもされていると思いますし、(やっていない方は
してください!)その際に著作権や意匠権についても、学ばれているのではと思います。
ジュエリーに関して言えば、日本ジュエリーデザイナー協会のホームページに、とても
判りやすく親切な、宝飾の著作権や意匠権が説明されています。
同業者の方、これから起業してと思われている方は、リンクを貼っておきますので
ご覧下さい。

今回、このブログを見てくださった沢山の方から、
「お客様と直接連絡を取る事は叶わないのか?」という意見もいただいていますが、
今回のように、お店や会社が間に入っている場合は、私がイベントで出向いている以外は、
直接のやり取りは叶いません。
けれど、私が直接やり取りをした所で、もし、お客様が気分を害されていたら、それは
私が出て行ってもあまり変わりません。むしろ、私は悪くないです、と言い訳にしか
感じられないでしょう。
そこはもう先方のお店や会社の担当者に一任するしか方法はありません。

また、同業者や業界の方からもご意見をいただいているのですが、「良くある事だよね、
こんな事ばっかりだよね、宝飾業界は特に酷いよね」というのが大体のご意見でした。
アパレルやイラストや音楽や…。
でも特に酷い部類に宝飾はあるようです。残念です。

じゃあ、コピーは何でいけない事なのか、良くない事なのか。
企業主として、デザイナーとして、自社の商品や作品を模倣されるという事についての
考えは、著作権や意匠権の話と重なる部分もあるし、どうしても当事者、被害を受けた側
の「気持ち」も優先してしまうと思うので(それはご理解頂けるのではと思います)、
ここでは、一作り手として、職人としての立場で書きたいと思います。


コピーをコピーだと知っていて購入するのは、違法であるということは、アジアに海外旅行
された方はご存知だと思います。
空港で没収されたりする例もガイドブックに載っています。
でも、コピーや模造品だと気づかずに買ってしまった場合。
今回はジュエリー、アクセサリーに絞ります。
それが名の知られたジュエリーだとすると、サイズ直し、チェーンが切れた、壊れた、
石が外れてしまった…などが起きて、そのブランドの支店に商品を持ち込んでも、
加工を受けてもらえません。

保証書、製造番号などが無く、このブランドで生産をされたものではないと判定されてしまったら。

じゃあ、街のジュエリー店に持ち込めば良い。
そうです。持ち込めばやってくれます。いいお店も素晴らしい技術を持った職人のいる
お店も沢山あります。
ですが。もし、そこで事故が起こった場合。
例えばリングをサイズ直しで出す。

*リング自体の破損。
持ち込んだリングの作りが粗悪だった場合、ロウ剤(組み立てに使う沸点の低い金属)の
質も悪いので、火を当てる事で変色などが起きてしまい、元の美観を損ねてしまう

*石が偽物だった事が判明する事も。
サイズ直しには火を使います。石に負担をかけますので、通常は、(弊社も)お客様に
確認を取り、持ち込まれた石の場合は簡易の鑑別に出します。そこで、ダイヤだと
思っていたのに別の石だった、色石だと思っていたのに合成石だったということは
よくあります。

*石の色が変わってしまった
以前あった事です。
弊社のシルバーリングで、8mm×10mmの色石を留めてあるデザインのものを
ご自身のために購入をされたお客様がいらっしゃいました。
専門的な話になってしまいますが、銀はサイズ直しをする際、地金の特徴上、全体に火を
当てます。そのリングは、石の留め方が変形覆輪と言って、石を外せない留め方。
外すには糸鋸で石座を切り、石を取り出すしか方法が無い。ですので、
サイズ直し=作り直しというリングです。

弊社では、こちらのリングは型を取っていますので、ご購入頂く際、お客様の指に合わせて
リングをお作りして納品させていただいていますが、そのお客様はお急ぎでした。
ご自身には少し大きい気がする。でも、今欲しいと。
ですので、よくプレゼントをお選びでの来店のお客様にはそうさせていただきますが、
店にあったリングをお買い上げ頂き、1ヶ月以内にご来店頂ければ、お買い上げの
時と同じ、無料でサイズ直し(リングの石枠部分を切って石を取り出し、新しいものに
作り替える事も)いたしますよ!とスタッフがお伝えしていました。
(未使用が望ましいですが、たとえ数回使用されていたとしても、通常の使用の範囲なら)

その石は、トルコ石や珊瑚、ラピスラズリなどと並ぶ程、火に弱い石でした。
ですが。
しばらくして、お客様がご来店されました。
お知り合いの加工をされている方に、「銀でも石が留っていてもサイズ直し出来る」と
言われて、サイズ直しをしてもらったら、何だか、石が曇ってしまったと。
元に戻せないかと。
店舗にあった同じ石の商品と比べても、色の曇りと言うか黒ずみは判りました。
他店さんでサイズ直しをされた事が原因で、石の変色が起きた場合は、不可抗力では
無い訳です。もう、弊社では、出来る事は1つ。

石を新たに購入していただき、新しいものに作り替える。

という、このリングに関して言えば、石を外すのに石枠を切るしかないリングなので、
ほぼ同額のお値段でそのように加工する=新たにリングをご購入いただくしか無い訳です。
もし、他で直しを出される前に、1ヶ月以内にお戻り頂けたら、お忙しい場合は、
送りでもお電話でもいただけていたら。

逆に。これを、「今回は…」と私が受けてしまう。お客様の気持ちになったら、
そうさせていただいた方が…という気もする。
ですが、今回は受けるとなると、次回も他のお客様の場合も受けなければならなく
なります。そうしたら、もう、きりがない訳です。


*地金の色が違った

今回でも出て来た地金の色。
基本的に、ほぼ同じです。ですが、ゴールドだけは、会社によって割り金の配合が
違っていたりします。
例えば、K18と書いてあるもの。(K24は純金です)欧米では750という記載が
あるこのK18は、1000のうち、750は純金で、残りの250は別の地金で割っていますよ、
という事です。75%はゴールド。25%は割金です。
その割金でカラーゴールドが出来ます。
大きく分けると、3色。
パラジウムなどで割ったものがホワイトゴールド。
銅などでわったものがピンク。
など、と書くのは、その会社によって他の割り金が入っているからです。
この など によって、微妙に色が異なってきます。
そして、おなじみ、K18イエローゴールド。
イエローの中にも、赤寄りだったりグリーン寄りだったり。
シャンパンカラーなどもありますが、その25%の配合は、それぞれです。

弊社で今回地金の色が違うと言われたホワイトゴールド。K18WG。
実は、先方の送られて来た指示書にはK18CHGとありました。これは、シャンパンゴールド
ですか?と先方に確認を取りました。通常、シャンパンの略は、K18CGだから、このHは
何かなと思ったので。結果、ジャンパンの略でした。という事は、先方がどんなに頑張って
もK18WGと同じ色にはならない訳です。だって。色自体の指示が違うので。
それは、重ね付けしたら、色の違いも一目瞭然のはずです。
お電話では、記載違いですと言われていましたが、指示書です。記載違いは指示書として
成立しません。

ちなみに、弊社の使用しているホワイトゴールドは、アレルギー対応を考え、パラ割りの
ホワイトを使用しています。

サイズ直しなどを他の会社に依頼した場合、このサイズを直した部分が、微妙に色が
違ってくる事があります。
弊社の場合、透かしのフルエタニティータイプのリングのサイズ直しを受ける事が
あります。通常はサイズ直しの出来ないものです。
例えば、イタリアで旅行中に購入されたという透かしの入ったフィレンツェスタイルの
サイズ直しを持ちこまれた事があります。
(デザインによって受けられるものとそうでないものとがあります)
その場合は、指の内側部分を切って広げましたが、地金の色味が、もしかしたら多少違って
しまう事がある事、彫りなどで出来るだけ判らないようにはしますが、全く同じには
なりませんというリスクも細かくお話しし、ご了承頂いた上で、手がけました。
イタリアのゴールドは少し赤っぽいんですよね。

幾つか例を挙げてみましたが、自社ではなく他で制作をされたものに手を入れるという
のは、とてもリスクがいります。
それを受ける側の知識や経験によって、失敗が起こる事も少なくない訳です。

自社の製品だった場合は、同じ地金を使う訳ですから、色の違いは出にくいですし、
事前にお客様にこういう可能性がありますよとお伝えし、もし、上記の事故が起こった
場合、特に、石に破損などが起こってしまった場合は、石を新たに探し、同じデザインで
制作。もしくは、石を探し、別のデザインでお客様の希望される別アイテムをお納めする
など、全て弊社負担でご提案させていただく、という事はさせていただきます。
ですが、それが弊社のコピー商品、模造品だと判ったら、お客様には申し訳ないですが、
こちらは弊社で手がけたものではありません。
で、何も、対応が出来ません。終了、です。

この違いは、大きいのではと思います。

弊社では、手がけた商品には、Kadomiのロゴ刻印を入れています。


これは私物のリングですので汚いですが、こんな感じです。
2007年より前は、別の刻印、和物も別の刻印です。

そして。これ、うちのスタッフも知らなかったと思う。
初めてここでお話ししますと、デザイン上、もしくはアイテムが小さく面積上入れられない
場合、透かしの入った小さいペンダントトップなんかは、その旨を納品時にお客様に
お伝えする、保証書に手書きで入れる。



そして、これ以外に。
実は、商品の何処かに、Kadomiロゴの
Kをアレンジした彫りを、入れています。
それは、私にしか判らないように、です。
もう、キリンビールのキリンみたいにです。

いつからかな、2008年以降くらいに私が手がけたものは、そうしています。
リングに関しては、内側に刻印を入れてありますが、小さいアイテムのペンダントや
ピアスには、隠れ文字入れをしている事があります。
そうやって、自分の商品や私の手を通った商品が判るようにしてあります。
これは、OEM以外の、コラボ商品などにもです。

刻印は悪い業者は勝手に作って打ちます。
だから、保証書も出来るだけ手で書き入れてサインも入れますが、それだけではなく、
商品自体に彫り込みます。
既に、手彫り自体が私の商品ですよと言うオリジナルでもありますが、それでも
模倣されるのですから。

オーダーメイドで手がけた1点物、それ以外にもですが、弊社では新作などを
ブログですぐにアップしていますが、それは、ねぇねぇ、こんなの出来たよ!!と
みなさんにいち早く見せたくて!という以外に、著作権を念頭に入れてという事も
あります。
ブログは日付も入ります。いつ、私がこの画像をアップしたか。見ていただく皆さんが
証人でもある訳です。
だから、これ、実はとても大切な事だったりします。
画像をアップする事で、コピーの危険も増えることは確かですが。
弊社には、「次こういうの作りたいんだよねー」とお話しになりながら来店される
同業者の方もたまにいます。
でも、それは、だめなんですよね。

私は、お取引先からお受けするオーダーメイド商品も、お取り扱い店も入れてブログに
アップしています。
1点物で制作してすぐに売れてしまったものを、撮影も出来なかったという事はあります。
でもそれはデジカメを持ち歩かなければ写真が撮れなかった時の事です。
今はスマホでもある程度綺麗な画像が撮れます。

ブログにアップする事で、弊社では取り扱いは無いけれど、このお店にありますよ!と
お取り扱い頂いている店舗様の情報をお伝えすることも出来ます。
なので、Kadomiで制作されたはずのオーダー品、商品のはずなのに、1ヶ月、2ヶ月しても
ブログに上がってこないな…と思われた場合は、申し訳ありませんが、ご一報いただければ
幸いです。

はじめてこちらでお伝えした内容などもありますが、このようにして、弊社も出来る事は
やっています。
それでも、起こり得る訳です。
私ももっともっと勉強しないといけない。
そうやって、自分にもだけれど、ご購入してくださるお客様に、嫌な思いをさせては
いけないと思う訳です。
模倣品は、作る事もいけないけれど、知っていて購入する事も、してはいけない事だ
という事を知って理解していただく事が、一番大事だと思っているのです。
それには、選ばれるお客様の協力も必要なのです。



あー。
凄く長くなりました。

という事で、次回からは、通常のブログに戻りますー。


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